2007年02月08日

宮崎の鳥インフルエンザが発生した周辺の、養鶏・卵の移動規制が一部解除された。周辺養鶏場にとって朗報だが、ウイルスの侵入経路がはっきりしていないとこに加え、いつ発生するか予測がつかないことから、不安が残る移動規制解除だと思う。しかしながら、今回も鳥から人へ感染しないで済んで本当に良かった。養鶏場や関係機関の適切な対応を非常に評価したい。

鳥インフルエンザに対し適切な対応をとるのが国際的に叫ばれている。新型のウイルスの誕生は国や地域を越えた人類を初めとする全生物の問題である。
そんな中、鳥インフルエンザに対して、適切でない対応をとっている国がある。それはインドネシア。

インドネシアでは鳥から人へ感染した事例が、ここ数年で急増している。感染経路は死んだ鶏を食べたりしたことが主な原因とされている。
インドネシア政府は対策として、家庭で飼っている鶏の処分や、放し飼いを禁止し、これ以上鳥インフルエンザが拡大するのを防ごうとしている。これは非常に評価できることだが、ただひとつ、適切でない対応をとっている。
それはWTOへのウイルス検体の提出拒否である。

その理由は、ウイルスを知的財産とし、ワクチン開発を自国の会社にさせようとしているから。
ウイルスの検体を研究することによって、ワクチンの開発が可能となる。ワクチンが開発されれば、いざ鳥インフルエンザウイルス感染が爆発的に増えていったときの切り札となる。つまりワクチンを提供し、莫大な利益を上ることが可能となる。
もしウイルスをWTOに提供し、ワクチン開発が他国に先を越されてしまっては、せっかくの外貨獲得機会が失われてしまう。そうなっては損と考えているようだ。

初めにも述べたが、新型ウイルスの発生は全生物の問題。人間の、ましてや一国が自国の利益のために、どうこうする問題ではないのだ。
ウイルスを研究する人が多くなればそれだけワクチン開発が早くできる。
そのための研究は国や地域にとらわれていては、問題解決が遠くなる。新型ウイルスは世界で取り組むべき問題である。

インドネシアはWTOに検体を提供し、WTOや各国の研究所は出来るだけ早く全生物の憂慮を取り払ってもらいたい。

・・・でもワクチンが完成しても、タミフルの時みたいに、ある一国がワクチンを大量にかき集めて、本当に必要な人々に届かないなんてことがないようにしたいものだ。これも適切でない対応だから。


at 22:39│コメント(1)食の安全を考えよう! │

この記事へのコメント

1. Posted by ホワイトン   2007年02月08日 23:32
鳥インフルエンザあんまり広がらない
でほしいですよね・・・

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