考察

2013年10月09日

本日は農家のこせがれネットワークのW氏からお誘いあり、第四回全麺業青年連合研修会埼玉大会に行きました。

そこで麺業との方々とのディスカッションをし、農家と麺業とのコラボでどういうことができるか、話し合いました。すげえ楽しかったw

で、その議論で浮かび上がってきた事柄のなかに「辛味大根」というキーワードが。

現在辛味大根は安定供給できる産地が不在で、正直、野菜農家にとってはニッチ狙える品目。
ニーズとしては、気温が上がり需要が増える春から夏にかけて安定した価格での供給を望んでいるとのこと。(その時期は辛味大根育てにくい時期ではある。)

辛味大根にもさまざまな品種があるので、蕎麦屋さんの望む辛味大根の品種をリサーチしたら、カブのように丸いタイプの辛味大根が人気があった。
今日参加してた蕎麦屋さんは100人以上。もしも多くの人と契約できたら一人一人のロットが小さくても、数で補えるので、結構いい品目になりそうな予感。
とりあえず、数種類の「辛味大根」を作って蕎麦屋さんの望む味に近い品目を探して、それから蕎麦屋さんに流通できれば面白いなあと。

とりあえず参考までにこんなのがあるよと↓

20131009_231830
これが多分蕎麦屋さんが好むカブ型の辛味大根。


20131009_231706
これは楕円形の辛味大根。周年栽培できるのもいい。




20131009_231530
ちょっと変わり種の中が緑色の辛味大根。おろしにすると色は目立つね。


20131009_231535

これは辛味大根ではないが、おろしにするときれいな赤紫色になりそうだ。


つうわけで、辛味大根作ってみたい農家さんています?夏場の安定供給だと東北や北海道の農家さんが作りやすいのかなと。俺は夏場はちょっと栽培が難しいかなと。
もし、このネタに興味のある方は一報ください。もし先方(蕎麦屋さん)がOKなら、農家さんに蕎麦屋さんを紹介したいと思います。



A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 23:41│コメント(0)トラックバック(0)

台風が次々と発生して、天気予報とにらめっこしてしまう10月。
ここ数年は10月に台風が来ることが珍しくなくなってきているとはいえ、台風の影響による高温や雨などに気を付けながら種まきや管理には気を使う。

で、これからは「暑い秋」と「寒い秋」両方を想定して、暑さが得意な品種と寒さが得意な品種を同時に播いて、どっちの天候で来ても全滅ということにならないような品種策定と作付け計画が必要なんじゃないかと思うわけである。

今年は小松菜でそれを試してみようかと思う。大体暑さが得意な品種と寒さが得意な品種は同時に播いても数日ではあるが収穫日に差ができる。
つまり品種の成長差を利用して、同時に播種して収穫期間をずらせば、悪天候などで種まきできる日が限られれても、一度の作業で実質的に収穫期間を長くでき、しかも採り遅れんが防げるので収量も増えることが期待できる。

秋冬作なんか特に差が出そうだから、面白うそうだなと思っている。

さて、久しぶりにうちの野菜の様子。↓

20131007_115506

大根収穫開始。寒冷紗をかけていたので、害虫による葉の食害が極めて少なくて、葉付き大根で出荷中。

20131007_112930

ニンジンはまだもう少しかかりそう。あと3週間ほど経てば収穫できるかな。

20131006_100820

そして秋のメイン作物の一つ「ブロッコリー」。
今年は約15,000株。多分11月はブロッコリーの収穫に追われること確実(汗)

たまに暑い日もあるけど、季節はもう秋。
これから農繁期に突入するので体調管理に気を付けねば。



A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 07:18│コメント(2)トラックバック(0)

2013年06月30日

キュウリ、現在毎朝朝採りしてます。

20130629_064459

毎朝4時起床。
日によって収穫量は安定しませんが、1時間半ほどの収穫で300~600本、前日に気温が高かったりするとそれ以上に収穫できます。

6月10日から収穫始まって、ほとんど休まず毎朝収穫して荷造りし、開店前(間に合わないときは午前中)に店内の地場野菜コーナー(売り)に納品します。
この仕事のサイクルにようやく体が慣れてきた感じです。

スーパーへの出荷。それはつまり自分の作った作物はスーパーのお客様がお買い上げになります。
で、そのスーパーのお客様がうちら地場野菜に求めることは、ズバリ『鮮度』と『価格』です。

だから、鮮度劣化が比較的早いキュウリやトウモロコシは朝どりを基本とします。
それがお客様のニーズに合った『商品』だからです。

今日はそのスーパーのお客様の求める『商品』について日頃感じてることを書きます。

まず、スーパーにくるお客様は、『日常』の中でのお買い物になります。
なので、売れるものは何かって、変わった品種ではなく、ごくごくありふれた、お店の棚に並んでいるような身近な野菜が圧倒的に売り上げを作ります。
ホウレンソウ、小松菜、人参、大根、ナス、キュウリ、トマト、トウモロコシ・・・これら購入頻度の高い作物を栽培して、安定的に出荷できる体制を整えるのが、地場野菜コーナーで売り上げを作るコツなんです。

店と同じパッケージングで、価格も同じなら、お客様は高い確率で地場野菜の野菜を選びます。
なぜならお客様が求めているのは『鮮度』だから。
よく「「有機栽培」など安心・安全をうたえば売り上げUPします」なんていう人もいますが、ことスーパーの地場野菜コーナーにおいては、安心・安全なんて条件は当たり前の最低条件なので、例え「有機JAS」の認定をとっても、有機JASは手間がかかるからと価格を普通よりも高く設定したら売れません。
早い話、有機JASの認定とったとしても、お客様はそれを一番の購入条件にすることはなく、鮮度と価格を優先して商品を選びます。
その証拠に、スーパーでの有機JAS農産物は、「鮮度イマイチ、価格は高い」という評価で、売り上げ作れない商材です。
そりゃ無農薬のほうがイメージ的にはいいでしょうが、スーパーのお客様はその辺非常に冷静に見てまして、「農薬使ってないほうがいいけど、別に有機と無農薬とかそこまでこだわってないし~農薬だってしっかり用法を守って使ってるなら大丈夫でしょ」ってお客様が圧倒的に多い。だから、スーパーへの出荷をするんだったら、下手に栽培方法にこだわらないほうがいい。
そのほうが、お客さんのニーズに合わせ臨機応変に対応できるからさ。

それと、変わった品種を何種類も売り場に並べても、お客さんの購入頻度は思いのほか伸びない傾向があります。なぜなら、珍しいものはあくまで『非日常』なので、『日常』の中でスーパーに買い物に来ているお客様にとっては「別に買わなくてもいいよね~」となるわけです。

だから、店で売ってる購入頻度の高い作物を、スーパーと同じような荷造りで価格をスーパーと同じに設定したほうが経営的には安定するというのが、10年やってたどり着いた一つの結論です。

自分の作った商品をどうやって売るのか?ではなく、どんな商品を作ったら買ってくれるのか?を常に考えてないと、これから農業経営体として生き残っていけない。そう感じてます。








A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 23:13│コメント(0)トラックバック(0)

2013年06月22日

昨日のキャベツの話の続き。

「年内収穫のキャベツは作らないの?」これは僕に対する友人の素朴な疑問。
なぜ僕は年明け品種だけで、年内収穫品種をやらないのか?

これはズバリ、他の作物との兼ね合いです。
僕は年内はブロッコリー、年明けはキャベツの収穫に集中できるようにするためです。

実はね、当初はキャベツを一切作らずに、年明け以降もブロッコリーを収穫したかった。
だが、うちの地区は周りの地区と比べてより寒いので、年明け収穫のブロッコリーはリスクが高い作型ということがわかりまして。

で、栽培リスクの少ない年明けのキャベツを年明けブロッコリーの代わりに栽培しようと思ったのが年明け収穫できるキャベツを栽培したきっかけだったわけ。だから年内収穫のキャベツという選択肢はないのです。
つまり早い話、僕にとってキャベツはあくまでブロッコリーの代打としての作付け起用だった。

でも、数年栽培して気付いたのだが、キャベツは年内よりも年明けのほうが単価が高く、年明け収穫のキャベツは非常に優秀な作型だった。
で、それを踏まえて、今年は本格的に年明け収穫用のキャベツを栽培しようと思って、色々な品種を調べているというわけです。

スーパーの地場野菜コーナーへの出荷で生計立ててるわが上原農園。
お店から借りているスペースは決して広いとは言えない。
つまり、限られた売り場でどれだけ稼げるかが、この販売手段では重要。

そうなると、「コンパクト」で「単価が高い」作物が優良な作物になるわけです。
その点ではキャベツはブロッコリーよりも劣るんだけど、「モノがなければスペースもへったくれもない」ということで、今年は年明けキャベツを代打としてでなく、スタメン、本気モードでガッツリ作りたいと思います。

よーし、しっかり育てるぞー!!




A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 18:41│コメント(2)トラックバック(0)

2013年06月21日

今日は夏至。
一年で一番日が長い日ですが、あいにくの雨。

こういう日は早めに仕事を上がって、秋冬の作付け品種の思案にふけります。

今日は7月から蒔き始めて、年明け1月から収穫できるキャベツの品種を考える。

今現在、候補にあげられるのは以下の品種。

サカタの「冬藍」
渡辺農事の「舞みどり」
渡辺農事の「あまかぜ」
石井育種場の「耐寒大御所」
トキタの「浜の舞」
タカヤマシードの「賀茂みどり」
まるたねの「春宝」
カネコの「冬くぐり」
タキイの「彩音」他・・・

この中で去年作つけ、かつ今年も作ろうかなと思っているのは「耐寒大御所」。
仲間内で評価がある程度あるのは「冬藍」。
んで、個人的に興味が惹かれるのは渡辺農事の「舞みどり」と「あまかぜ」、そしてタカヤマシードの「賀茂みどり」。

・・・悩みます。

全部は蒔けないしね。この中から数種類選んで蒔きたいと思います。


A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 22:10│コメント(2)トラックバック(0)