2013年10月24日

茨城・千葉弾丸農業旅行報告の続き。(エピソード1はこちら

後ろ髪引かれる思いで久松農園を後にし、今回のメインイベント「海外農業研修事前講習会OB講話」の講師として、来年ヨーロッパで海外農業研修に行く予定の研修生たちのまえで、OB講話をしました。

話した内容は、海外研修に行く前にこれやっといたほうがいいよということ。
特に以下の3つについて話ました。


1、海外農業研修に行く前に、海外農業研修後の未来の自分の理想像を強くイメージする。

→これは、この海外農業研修はあくまで自分の夢や理想を実現するための『手段』であってほしいということ。逆を言えば「研修に行くことを目的に研修に行ってほしくない」ってこと。自分探し?観光目的?そんなふざけた目的ならばこの海外農業研修のプログラムに参加すんじゃねーぞ。このプログラムは、あくまで「農業研修の『海外版』」で、君たち研修生は『農業研修生』なんだよ!農場主に言われたことだけをただ機械的にこなす労働者になるなよ!あくまで自分から積極的に何かを学ぼうとする姿勢を持ち続ける研修生であれ!それを肝に銘じとけ!ってなことを、俺にしては『やさしい口調』で話しました。


2、海外農業研修に行く前に、日本の農業を知る。日本の農家さんのところに行って、話をする、農場見せてもらう、あわよくば体験・研修させてもらう。

→まあ、早い話、日本の農業知らないで海外の農業を深く知ることなんざ出来ねーよって話です。本とかネットで総論的・学術的な農業を知るだけじゃなくて、農家さんのところ言って「リアルな農業」を体感しねーと。その経験から物事を色々な立場・方向から見ること、つまり視野の広い視点を持つことができるし、海外との技術や考え方の同異に気付き、それを自分の人生の糧にできる。
そういう経験をあくまで自分からつかみ取ろうと行動しなきゃ研修やってる意味がないし、チャンスがあるのにそれを活かしきれないともったいないよね。
ついでに言えば、配属希望の業種(野菜、有機野菜、花き、果樹、酪農etc)の農家さんだけじゃなくて、自分の希望する業種以外、例えば、花き希望ならなら野菜農家さんや酪農家さんのところに行って、話をすることによって、将来自分の農業経営や農業に対する選択肢の幅が広がるしね。そのためにも色んな農家さんのところに行っとけよ!ってな話。


3、日記をつける。

→これは、将来農業に携わるなら必須のこと。農業は知識と経験を積み重ねて技術が向上する。その積み重ねを日記に書きしるしておくことで、自分のやったことを検証できる。例えば、いつ種まいて、いつどういう管理をして、いつ収穫して・・・って書いておくと、自分のやったことを振り返って、検証ができる。
それが自分の技術を向上させることができる。
さらに言えば、研修に行く前日に、自分は未来の自分の理想像に近づくためにこの研修をやりたい!ってな熱い思いを日記に書きしるしておけば、研修始まって凹んだ時にそれを読み返すと、自分は励ますことができるよって話。


以上、3つのことが出来れば、日本の海外農業研修生としては合格かなと。

講話後、研修生たちが俺の話を聞きに来てくれて、農業について色々伝えることができました。
俺の話が彼らの成長の糧になってくれたら本望だ。

彼らが来年、素晴らしい海外農業研修ができることを心から願いながら、その日は眠りにつきました。

→エピソード3に続く



A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 07:16│コメント(0)トラックバック(0)

2013年07月02日

最近ふと気になるが、「グローバルな人材を育成するための教育を!」ってフレーズ。

いや、グローバルな人材育てるために英語の教育とか必要だと思うよ。

でもさ、グローバルな人材ばかり育てて、その人材がドンドン海外に出て行ってさ、国内の人材の空洞化が起きてさ、ただでさえ少子高齢化で人口減少まっしぐらな日本でさ、それだけやってたら日本という国自体の存亡にかかわるよね。

グローバルな人材育てることは必要。でも、同時に日本国内のさまざまな面で活躍できる人材を育てることも必要だと思う。もちろん、海外で学んだものを日本国内の色々な分野で活かすことを目的としたグローバルな人材育成なら大歓迎だけれどね。グローバルな人材育成の目的はなんじゃらほい?

さて、本題。

これと似たような話でさ、「大規模農業経営体を増やし、農業を活性化する」というフレーズ。これも画一的な発想だと思うんだよね。そればっかやっても、日本の農業は強くなりませんよって話。

いろんな経営体があってこそ健全だと思うんさ。これは畑の環境と同じ。いろんな生物がいて、それが複雑に絡み合って畑を形作っていく。バランス崩れりゃ当然その畑ではいいものは生まれなくなる。

だからさ、大規模農業経営体を増やすと同時に、大規模じゃない農業経営体も存在することを良しとしてもいいのかなと。今の世の中の流れって、一つのものを過度に期待して突っ込んで失敗し、失敗してんのに切り替えられないって感じ。原発の取り扱いみるとそんながっかり感を感じてしまう。

一つの方法で万事すべてうまくいかない。
これは栽培技術でも通じる話だけど。

とりあえず、俺は大規模化が農業活性化の唯一無二の処方箋じゃねーと思ってます。







A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 21:40│コメント(0)トラックバック(0)

2013年05月21日

ソラマメの収穫が始まりました。これ、うちで食べる一回分の量ね↓
20130520_172937

うちの長男と次男が大好きで、俺も大好きなのでこのくらいペロって食べちゃいますw
販売したいところですが、蒔いた種の数が少なく、十分な量を出荷できるか不明(笑)
来年は作付面積を増やしたい作物の一つです。
誰かいい品種あったら教えてください!


さて、最近どーもメリハリなく仕事に追われてる感があって、仕事を楽しめてないな~と思ってたのだが、それがどうやらブログの更新と関係あるんじゃないかと思い始めた。

ここ最近ブログを毎日更新できてない。これは俺の本性である「面倒くさがり屋」が幅を利かせてたわけです。でも、ブログを更新しないことによって、「思ってること(フラストレーション)の発散」やブログのネタを日々考える「脳の運動」ができてないことが逆に「楽しい」とか「面白い」とかそういう感情の起伏が鈍くなって、結果仕事を楽しめてないと思ってしまう思考回路になっているんじゃないかと。そう昨日思ったわけです。

考えてみりゃ、このブログも結構長く続いているし、もはや自分の中でブログという存在がルーティンワーク化していて、それをしないことによって仕事や日々の生活のモチベーションが下がってしまうのかもしれない。

幸いにも毎日このブログに足を運んでくださる皆さんもいることだし、閲覧数ふえれば、それだけモチベーションも上がるのはブロガー(なのか?)として当たり前のことだし、自分のために、できればこのブログに足を運んでくれる皆様を「クス」っと笑わせることができるようにしたいし。
やっぱ自分中心で動くよりも、他の人の笑顔のことを考えながら動いたほうが楽しいしね。

そう考えたら、今までのように朝のゆっくりできない時間で集中してパパッとブログ更新することで一日の活力が生まれていいんじゃないかと。今そう思ってます、はい。

まあ、そういうわけなんで今後とも一つA-GYO農伝記をよろしくお願いいたします。



A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 06:11│コメント(0)トラックバック(0)

2013年03月14日

数日前の大風、そして昨日の大風。今年は風によって土埃が舞いあがって視界を悪くする「煙霧」と呼ばれる現象が起こりました。これだけ乾燥してて、あんな大風吹いたらそうなるわな(汗)

で、その大風により、先日研修生柳原君と一緒に張ったトンネル、見事に飛ばされたさ・・・(遠い目)↓
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でも、幸いマルチにはダメージなかったのでホッと一息。
風が弱まった夕方に、風で剥がされたトンネルをチャチャっと直しました。
(昨晩雨が降ったので、雨に当ててからトンネル直してもよかったかな~とチョイ後悔してるが。)

昨晩の雨で少しは乾燥が落ち着くかなと期待。
土が湿っているうちに、サニーレタスとスナックエンドウの苗を定植しなきゃ。



さて、本日のつぶやき。

日本政府として、近日中にTPPの「交渉」への参加表明するみたいですね。

「後から交渉参加した国には、もう決まってることは蒸し返して議論しないよ」と言ってる交渉テーブルに日本は着席するわけです。

で、今後、今まで決まっていたことも丸飲みして、なんかよくわからない状況でTPPに参加した場合、日本にとって必ずしもいい結果にならないことになるかもしれません。


その時、国民はどういう反応をするでしょう?

早くからTPP交渉参加を推進していた人は言うでしょう。「だから早く交渉に参加しろ!って言ったのに・・・」
はなっからTPP参加に反対していた人は言うでしょう。「だから参加するなって!って言ったのに・・・」

他にも色々自分の立場で色んな「だから言ったのに。」が聞こえてくるでしょう。

でもね、そう「だから言ったのに」的な後悔ばっか言ってちゃどうしようもないと思うのね。

どんな状況・どんな環境でも生き抜く。それを考えないと。

今から色々イメージしてさ、悪いイメージしちゃったら今からその対処を考え実行しておくのが、生き抜く力に繋がると思うわけです。生活でも、経営でも、なんでもね。

どんなに今繁栄してても10年後に死んでたら負け。
どんなに今ギリッギリでも10年後に生きてたら勝ち。


俺は生き残ることを必死で考えて実行していこうと思います。


A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 07:18│コメント(2)トラックバック(0)

2012年11月12日

毎年、11月も半ばになってくると、来年の作付計画で頭がいっぱいになってしまう瞬間がある。

「今年は〇〇の栽培が上手くいったから、来年は作付面積2倍にしよう」とか、

「今年やった〇〇は全然お客さん受けしなかったから、来年は無しだな」とか、

「今年あの畑に播いた〇〇はあんまり上手に出来なかったから、来年は畑の条件を変えてもう一度挑戦してみよう」とか色々ね。


で、今年は特に「来年は如何にお客さんに受け入れられるモノを作るか?」ってことを第一に意識して色々考えている。

自分に合った作物とか自分が面白いと思った作物ばかり作っていても、結局買ってくれるお客さんのニーズに合ったものじゃなきゃ売れないわけです。

ましてやうちのお客さんは、スーパーに野菜を買い物にくる方が9割。

「スーパーに野菜買いにきたんだけど、地場野菜コーナーでも同じもの売ってる。じゃあ、地場野菜の野菜を選ぼう!」という方に支えられてうちの生計は成り立っているわけです。



スーパーの地場野菜コーナー向けに『商品をつくる』ということには2つのアプローチ方法があってさ。

ひとつは『お客さんに受け入れられる商品造り』。

もうひとつは『お客さんのニーズを掘り起こす商品創り』。


今まで俺は、自分が面白いと思ったものを主軸にお客さん受けはイマイチだけど、ちょっと変わった栽培品目も積極的に栽培計画に取り入れていた。
つまり『お客さんのニーズを掘り起こす商品創り』を優先して栽培計画を立てていたんだけど、やっぱり受け入れられるモノ、受け入れられないモノがあるわけです。その受け入れられないモノを作ってしまったことは良い経験になるんだけど、毎年毎年、その分の時間や資材の『ロス』が結構馬鹿にできないもんで。

家族経営でスーパーという販路で生計を立てていくうえで、もう一段階ギア(収入)をあげるには、『当たるか当たらないかわからない商品創り』という部分を「そぎ落とす」という選択肢も時には必要なのかなと。最近強くそう思うようになってきた。

だから、来年は出来るだけ『お客さんのニーズを掘り起こす商品』の栽培品目を絞って、『お客さんに受け入れられる商品』を今年以上に栽培していこうと、こう思っているわけです。


一昔前は、自分が『主役』で作りたいものモノばっか作って、「自分を見て!こんな自分が作ったものを買って!」とお客さんを『観客』にしていたけど、やっぱり今後、確実に生き残っていくには、お客さんを『主役』にして、自分は裏方のプロデューサー役・・・だと言い過ぎか、うん、縁の下の力持ちの大道具さん役をしてみるのも面白いアプローチかなと。野菜を買って食べてくれるのはお客さんなんだから。

ってことで、

栽培計画を立てる前に、「自分の商品を買ってくれるターゲットがどういう人なのか?」ってことを強く意識していくことが大切なのかな~って、最近特に思ってます。


A-GYO(エイギョウ)agyonoudennki at 07:25│コメント(2)トラックバック(0)