2007年05月17日


まず、「アグリス成城」を数日前のブログで突っ込むだけ突っ込んだことを謝ります。「百聞は一見にしかず」でした。「アグリス成城」、俺が思っていたような「貸農園」ではなかった。

数日前、友人から誘いを受け、「アグリス成城」を見学する機会を得た。
正直、「突っ込みどころ満載で楽しい見学になりそうだ」と思っていた。が、スッタフの話を聞くうちに、その浅はかな考えは消えて無くなっていった。

「アグリス成城」小田急線「成城学園前」駅前、西口を出て徒歩1分。「AGRIS SEIJO」と銘打たれたクラブハウスはぱっと見、おしゃれなカフェにも見える。初めて見た時は裏に自転車駐輪場があるだけで「貸農園はどこ?ここでいいの?」という感じだったが、自転車駐輪場を抜けるときれいに整備された菜園が広がっていた。

何でこんな所に会員制の貸菜園を作ったのか?それにはこんな経緯があった。

小田急の地下線化にともない、5本の線路を徐々に地下に潜らすスロープを作った。その長さおよそ500m。その上を騒音防止の観点から広さ5,000?のコンクリートでフタをした。
1?当たり550?という重量制限、そして駅周辺の放置自転車対策に駅のすぐ近くに駐輪場ができた。5000?すべて駐輪場にするわけにはいかないので、当初は駅ビル、車の駐車場も計画されていたらしい。しかし、「成城」という土地柄、住民から「景観を損ねないようにしてほしい」「騒音は嫌」「緑を増やしてほしい」という要望が出され、緑化するということになった。

初めは緑化するならば公園をつくろうという考えだった。しかし、公園にした場合、治安の面から不特定多数の侵入は成城エリアにとってプラスではない(公園ができても、夜中騒ぐ人がいたら近隣の住人が困る)。また、公園にした場合、その維持管理の費用は小田急が負担、もしくは行政が負担することになる。線路の用地は半永久的なのでコスト面でもマイナス面が大きい。
住民に配慮し、持続可能、かつ収益が見込める事業を考えたとき、「貸菜園」という発想にたどり着いたという。

しかし、そこで問題になったのは法令の面。この地域は「第一種低層住居」で基本的に低い家しか建てられない。しかも、「農地法」の観点から会社が農地を取得することが原則できない。
しかし「鉄道用地」という特殊な土地がそれを解決した。
地下線化によってされたコンクリート「覆蓋(ふくがい)」は建物でいう、「屋上」に当たる。つまり、ここに緑を植えれば「屋上緑化」ということになる。地上一階なのに!さらに建築物の屋上であれば、そこは「農地法」でいう「農地」ではなくなる。すごい、発想だ。だから、「貸農園」ではなく「貸菜園」となるのだ。
さらに、不特定多数が侵入しないように「会員制」にし、会員しか菜園の中に入ることができなようにした。これで治安面もクリア。

こうして「会員制貸菜園」の骨組みが完成した。

<その2に続く>






at 12:49│コメント(0)農NEWS │

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