2007年05月18日


「アグリス成城」という骨組みが完成したらあとはにくづけだ。

まずハード面。
成城は、オシャレで高級感が漂う街。そのエリアに馴染むように、菜園を管理するクラブハウスはデザイナーが手がけた。また、仕事帰りでスーツでも手軽に来れるように、ロッカーやシャワールームも完備。
一階はロッカールームとスタッフがいるオフィス。
二階は利用者がくつろげるようなラウンジ。こだわりのコーヒーやフルーツジュースが飲めるようになっている。また、ラウンジから菜園を望めるようになっており、鉄道用地のぽっかりと空いた空間が、ラウンジに心地良い風を提供してくれる。椅子や机、照明器具などもデザイン家具でこだわりが見られる。
菜園で利用できる農具は英国製。また種や苗なども菜園内で販売している。野菜の品種も様々で、トマトやナス、枝豆、リーフレタスなど一般的なものから、コールラビやロメインレタスなどレストランでよく使われる品種まで100種と幅広い。ちなみに菜園で花を育ててもいい。
基本的に無農薬であるが、防除はニームオイルを用いる。それでも防除が必要な場合は、有機JASで認定されている農薬に限り使用可。
菜園を囲むようにある植栽は500種類。東京都の都市緑化基金の助成を受けられるほどの評価を受けている。


そしてソフト面。
菜園にはスッタフが常駐しており、利用者は気軽に野菜栽培について質問できるので初心者にも安心。
さらに10講座程度のガーデニングや園芸に関係するカルチャースクールを開いている。
また、仕事が忙しく、なかなか菜園に来れない利用者のために潅水や管理を代行するサービスがある。

先日、私はここブログで突っ込んだが、利用者の声を聞くと、「仕事で毎日来れなくても、普通の家庭菜園と違ってスッタフが野菜を見守ってくれるので安心して利用できる。」とのこと。
本当なら突っ込むところだが、スタッフの話を聞いて、この菜園の方向性ならそれもアリなのかなという気がした。

スッタフはこう話してくれた。
「アグリス成城サイドとしては、このアグリス成城という場が、利用者のコミュニケーションの場、そして一種のレジャーとして野菜や花に親しむ場となっってくれればい。対象者も『本格的に野菜を育てたい』という人向きではなく、ベランダ菜園の延長だったり、野菜栽培に興味があるのだけどきっかけがなかった人向き。」

確かに6?という広さは「本格的に野菜を育てたい」という人向きではない。(アグリス成城サイドでも開園1年前から実験をし、6?という広さが日常生活でできる菜園の広さとしては充分であるということを確認した。)

成城学園前駅という立地、そして買い物のついでに寄れる、仕事帰りに利用できるという手軽さを追及した菜園ならば、この6?という広さは適当であると思う。

現在300区画のうち、3割程度の利用状況。だが、今後利用者が増えていくのは確実だろう。それだけの価値と魅力がこの菜園にはあるのだ。

イングリッシュガーデンのように野菜を植え付けた菜園を見ながら、ある者はこう言った。
「この菜園は体験型のレジャー施設だ。」と。


今後この様な菜園が都市部に増えていけば、多くの人が野菜や花を通じて農業について考えてくれるきっかけになっていくだろう。
第二、第三の「アグリス成城」が出てくることを強く望む。


(アグリス成城に興味がある人はHP見てください。)

http://www.agris-seijo.jp/



at 06:49│コメント(2)農NEWS │

この記事へのコメント

1. Posted by プチファーム   2007年06月11日 23:22
はじめまして。
高崎で、市民農園「野菜を作ろう!プチファーム」を運営している者です。
アグリス成城の記事の検索からきました。
アグリス成城がどうも、高級貸し農園というような枠組みで捉えられているなか、
とてもためになる記事でした。
私も、こういった面白い取り組みが出来るよう、頑張っていきます。
いい記事をありがとうございました。
2. Posted by A-GYO   2007年06月27日 00:27
プチファームさんはじめまして。
プチファーム通信読ませていただきました。面白いです。これから頻繁にチェックさせていただきます。
プチファームの取り組みもとても興味があります。私もできれば貸菜園を運営したいと思っています。(まだまだ勉強不足ですが。)菜園の利用者同士と自分が交流できるようなそんな菜園をしたいです。
農業には色んな可能性があります。色んな農業をお互い楽しんでいきましょう!

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