2007年09月02日
―俺は娘を抱えて裏山に逃げた。遠くで空襲警報が鳴り響く。
(防空壕へ行かなければ…)
同じように裏山へ逃げる人々。ついにすぐ近くのスピーカーから大音量の空襲警報が鳴り出した。
防空壕に入る前に上からゆっくりと無数の照明弾は降ってくる。
(これに当たっては行けない)
竹藪の中を突っ切り、出たところは野原。直感でやばいと感じたが、思わず空を見上げる。
2機の空母が寄り添うように飛び、上から絶え間なく大きな銃弾のような黒い爆弾を落とし始めた。
その爆弾のうちの1つが、頭上に降ってくる。娘を抱えたまま俺は立ちすくむ。
(もうだめだ。)目をつぶる。
そこで目が覚める。
夢か…朝から悪い夢を見た。時計を見ると4時過ぎ。もう少し寝られるが、目が冴えてそんな気にはなれなかった。
隣で眠る娘を見る。寝息を立てるその寝顔にほっとさせられた。
もう少し横になってるか…
俺は目を閉じた。
ウウウウウウウウウウ
空襲警報が鳴り響いた。
(何だ、また夢を見てるのか…やだなあ、2度寝で2度悪夢は…)
ん?
あれ?音が大きいなあ?
俺は目を開けた。
はっきりと「ウウウウウウウ」という音が外から聞こえる。
吹鳴(消防団出動サイレン)じゃん!!
そうです。
リアルに火災です。俺、出動です(泣)
妻の入院中、起こったら嫌だなーと思っていた火災出動が起こるなんて!
俺は飛び起き、とりあえず娘を1階で寝ている両親に預ける。
「にかいでねるの?!」娘が駄々をこねる。
仕方がないので、2階に娘を戻し、母に娘を頼んで、消防団の活動着に着替える。
水を一杯飲んで、走って消防車の車庫へ。
すでに他の団員2人が消防車にのってスタンバっている。
俺は消防車に飛び乗る。
3名揃った。(ちなみに3名以上いないと出動できない)
とそこに、俺の後にすぐ他のメンバーが来た。4人で出動。
(ちなみに遅れてきた人は、車庫のシャッターに張ってある出動指令をみて現場に急行する。)
現場は工業団地内の一角にある、とある資材会社の事務所。
向かう途中の車内で、無線から「鎮圧(消火しきれていないが、火の勢いは完全に制圧)」と聞こえたので、一安心。
現地につくと、消防署の車両が既に火を鎮圧し、残火処理をしている。
事務所や隣接する倉庫から、霧のような白煙が出ているものの、火災自体は収まったようである。
俺は現場の交通整理。普段の出動がかかる火災も、消防署の消防士が現地に先について消火活動をして、消防団は交通整理や残火処理が主な活動となる。
5時過ぎに撤収がかかり、解散。
事務所の1階は水浸しになって、宿直をしていた従業員がすこし煙をすって救急車で運ばれたくらいで、被害は少なかったからよかった。
しかし、あの悪夢のあとに、出動とはまいった。
今は時間的にもう3度寝はできないから、パソコンに向かっている次第です。
娘は「おばあちゃんは下で寝るの!わたし一人で寝るの!」と駄々をこねたらしく、家に帰ったら2階で一人で寝てました。
世話のかからない娘にちょっと感動した。
あとちょっと皆さんに知っててもらいたいことがある。
交通整理をしているときのこと。ホースの上をスピードを落とさず通行する車がいた。
消火用ホースの上は徐行して走行してください。ホースが破裂することがあるから。
皆さんもそういう場面に出くわしたら、現場の指示に従ってくださいね。
一消防団員からのお願いです。
この記事へのコメント
1. Posted by 正太郎 2007年09月02日 10:55
「にかいでねるのー」
に笑った。こだわりがスゴイ。
に笑った。こだわりがスゴイ。
